イーニン(伊寧)市
 イーニン市は
、新彊ウィグル自治区西北部のウルムチ市から北西約700KMに位置し、カザフスタン国境に近接しています。1954年のイリ:カザフ自治州成立以来 北西部地区の政治の中心地となっています。同自治州は面積56000平方キロメーターで、人口は約21万人、41の民族が暮らしています。
気候は、夏期では30度以上になりますが、冬期は-40度以下にもなります。観光に適した時期は、6月から9月の間となっています。短い夏を謳歌する
人々を紹介します。下の写真は、夜明け前のイーニン市で、高層ビルは見当たりません。地方の中都市の感じです。右下の写真は、イーニン市の博物館ですが
見学しに行った時には、見学者は私たちだけのようでした。


左下は、博物館内部でイリ地域に暮らす民族に風俗が展示してあり、これから訪れる地域の各民族に対する知識を深める助けになりました。モンゴル族の
パオが置かれ、内部に入る事も出来ました。後に訪問するバインブルグのモンゴル族の集落で同じ様なパオをたくさん見る事が出来、サイラムノール(サリム湖)
で、パオに宿泊しました。壁は、厚さ15Cm程のフェルトで極寒(マイナス40度以下)の冬にも生活できる保温性を備えているようでした。右下は、イーニン
の印象的なイルミネーション。



夜、馬さんにお願いして屋台に案内してもらいました。屋台ではシシカバブーを
売っており、酒の代用の蜂蜜を少し発酵させて、わずかにアルコール臭を感じさせる甘い飲み物とヒマワリの種をつまみに食べました。イスラム教の信仰
されている地域では、公共の場所での飲酒は禁止されているためビールなどの酒は売られていません。ホテルでは飲酒は可能です。シシカバブーは、中国
山椒(花椒)、唐辛子、クミンを混ぜ合わせた調味料に塩味を加えたもです。

町の通りには、バザールが開かれ、色とりどりの布を売る店が並んで沢山のお客が集まっていました。サンダルを製造直売している店も有り、ウィグル人
の職人が熱心に作っていました。

漢方薬を売っている、店ではヒトデ、ヘビ、などが並んでいました。通りでは、暑いためジュースが売られており、私が子供の頃見た
ジュースの自動販売機の様を思い出しました。イスラム教徒が多いため、街路ではビールなどの酒類の販売は目にすることが有りませんでした。

新彊は、どこへ行っても果物が豊富にしかも安価に売られていました。写真ではハミウリ、ザゼンモモ(押しつぶした様な形の桃)、ブドウ、スイカなどが
山積みにされていました。ブドウは1Kgで10円くらいでした。右の写真では、乾燥したブドウやクコ、羅漢菓などが見られます。ブドウは、当地域で栽培さ
れており、葡萄酒の産地ともなっています。

ショッピングセンターの入り口に掲げられた広告。大都会で見られるのと違いは有りません。右は、エイズの感染の広がりを防止する為の掲示板、
地方にも感染が広がっていることの証でもあり、街を歩くと所々で目にすることが出来る。以前、日本の街角や医療機関でもエイズの感染を警告す
るポスターが見られたが、今では目にすることは無くなってしまっている。日本でも、かなり広範に感染が蔓延しているが、市民の間の関心は先進
国の間で最低とも言われている。エイズが増加しているのは、先進国の中で日本だけとなっている。エイズに対して関心が高まったのは過去の一時
期であったが、今や関心すら一般市民の間では殆ど無くなってしまっているようだ。




バザールの有った、通りを一歩奥に入った通りに歯科医院と歯科技工所を見つけたので、中に入り写真を撮らせてもらいました。外景の写真で左側が
歯科技工所で右側が歯科医院です。歯科医院の治療設備は、日本では博物館でしか見ることの出来ない手動式の歯牙切削器具と電気式の歯牙切削器具
が有りました。椅子に掛けている方が、この医院の院長です。隣の歯科技工所の中も写真を撮らせてもらいましたが、金属冠の作り方は、かって学生
時代に歯科医学史で学んだ方法そのものでした。この歯科医院は、近代歯科医学による歯科医院でなく旧式の治療を行っている医院です。最近では、
日本の歯科医院と同等な歯科医療を行っている医院もできてきています。

交差点の信号に屋根が付いていますが、冬期には-40度にもなり積雪の対策のようです。


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